禅蜜気功は、1970年代末に禅蜜気功唯一の伝人劉漢文先生が公開し、1986年に中国政府が認めた20大功法の1つに数えられています。
禅密気功という名称からもわかるように密教系の気功で、仏教から出た流派ですが、宗教性はなく、純粋に健康だけを追求しています。
禅密気功の流派としても特性を整理してみます。
第一は、悠久の歴史を持っていることである。源流である密宗に遡って千年にわたるものである。
第二は、レベルをはっきりわけていること(層次分明)である。
第1歩功法の「築基功」から始まり、第3歩功法の「双至法」まで、24の功法まで体系づけられている。
第三は、功法の理論は広く、奥広く、中国の仏教、道教、儒教の精華を表す。
功法の練習と功理の学習を併行することによって、心を広くし、浩然たる気持ち、豊かな気持ちを享受することができる。
第四は、瞑想の重視を特徴とする。禅密瞑想は、まず動いている気を観想し、光を観想し、自分の光と宇宙の光を想像し、自らの心の光と宇宙の光が一体になる状態を得ることである。これ即ち、
「天人合一」の境地を体験することである。
第五は、背骨を動かすことから始めることを基本とする。背骨は人間の骨の原初であり、従って人間根本のエネルギーの根源である。根本から体質を改善し、健康を回復、獲得し、心の安寧を確保することにある。
禅密気功の基本的な特徴は、頸椎から仙骨までの背骨を、生命活動の根元となる器官と定義しているところです。
背骨の1つ1つが、それぞれ内蔵をはじめとする体の各器官と密接に関係している。背骨は人間の身体を支え、形づくっている中心であり、バックボーンですが、その背骨に中心を置く気功法なのです。
背骨に気をめぐらせる。背骨を中心とした身体の動きに、意念の動きを合わせることです。そうすることによって、身体のすべてにくまなく 意念を動かし、めぐらせることができます。
意念とは、すべての人が生まれながらにして持っているエネルギーです。
このエネルギーを身体の隅々にまでめぐらせることで、身体を活性化することができるのです。
さらにもう一段進んで、自らの体内からのエネルギーと万物宇宙のエネルギーとの一体か、渾然一体の状態を意識することにより、心底から「悦び」を感じ、精神の安定を得ることができます。この悦びとは、人間社会の煩わしさから抜け出して静かなる時を得た感覚のことです。春に万物が芽吹いてくるように細胞が生き生きとし、又身体の活性化が得られるという好循環が実現できます。即ち、背骨に気を巡らせることができるようになれば、血流をはじめとする体液の循環が良くなり、ストレスが緩和されます。
心身症、慢性病の予防と治療、特に消化器系の病気や肩こり、腰痛に効果があります。
禅密気功は瞑想を重視する密教系の気功で、練習を重ねるうちに深い瞑想を体験し、穏やかな気持ちになることができます。
その気持ちを仏教の言葉でいえば「悟り」です。悟りの境地のことを「真禅美」と教えています。人間の施工の理想である
「認識上の真、道徳上の善、芸術上の美」を指します。
人間には「見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる」という第一意識から第五意識までの五感が備わっています。そして、脳は第六意識であり、気持ちは第七意識です。人間は他の動植物や山や川と同じく宇宙と一体の存在である、という悟りが 第八意識といってもいいでしょう。
それぞれの社会や文化の中で、健康で幸せな人生を実現すること、それが気功の目指すところです。
築基功・双雲功・陰陽合気法・吐納気法などを順次学んでいきます。
投稿者 服部 : 2005年07月28日
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